□見直しが必要な分野□
平成22年5月に閣議決定された政府の新経済成長戦略において、リフォーム市場は中古住宅流通市場と並んで2020年度までに倍増することが目標設定されました。
リフォーム市場に限定しても現在の約6兆円市場を12兆円に倍増しようとするものです。
このように日本経済を成長させる新たな市場としてリフォームは大きな期待をされている分野です。
人口減少・少子高齢化社会においては、新築住宅の市場規模が長期的に拡大することは期待できそうにありません。
今後は住宅ストック(既存住宅)をリフォームして住宅や住生活の質を向上・維持することが必要となります。
住宅は生活の基盤ですので、楽しく豊かな生活を送るためにも、単なる維持・修繕ではなく、より積極的なリフォームが多くなっていくことが期待されています。
人はライフスタイルの変化に応じて、住む家のリフォームが必要になります。
□現状□
しかし、いざリフォームしようと思うと、いったいいくらかかるのか、また見積もりを取ってもそれが適切な金額なのかどうなのか、まったく分からないのが実際ではないでしょうか。
事実、リフォーム工事は金額が分かりづらく、業者によって金額にかなりのバラツキがあるようです。
よく見かけるリフォームのチラシには「便器がいくら」「キッチンがいくら」という具合に書かれていますが、それ以外の経費はかかってこないのでしょうか。明確になっていません。
そして、国民生活センターや消費者センターなどの統計によると全国で一年間に3万件近くもリフォームによる被害者の声が寄せられているそうです。
リフォーム工事は建物の一部であることが多く、費用についても安易に考えがちですが、工事に着手する前では気付かない部分が多々あり、いざ着工してみたら契約以外の費用が掛かってしまうと言われ、それがトラブルの原因になることが多いのではないでしょうか。
□考え方□
リフォームは、不便・不快・不足・不自由などの様々な不満を解決してくれる、いわば魔法の杖のようなものなのです。
かと言って、それを魔女(業者)に任せていけないのは当然で、新築時や購入時と同じく十分な検討、話し合いが必要です。
工事期間中は他へ仮住まいするのか、居ながらの工事なのか、であればフロ・トイレはどうするのか?追加工事が発生することが予想される場合は、最大いくらくらい覚悟しておかなければならないのか、それなりに費用の掛かる話です。
逆に言えば、「これらのことを全て含めた契約になっております。ご安心ください。」などといわれる場合こそ、最初の金額がかなりのボッタクリになっているのでは、と疑うべきです。
よく言われることではありますが、リフォームの場合少なくとも2社以上から見積もりを取るべきです。しかも信頼できる業者にです。
ビフォアーアフターというテレビ番組がありますが、業者との間に設計事務所等の専門家を挟んでも良いと思います。
匠です。魔法の杖を振りまくるかもしれません。わくわくします。
設計監理費が別途発生しますが、終わってみれば生活もしやすくなったし、デザインも素敵。さらに安く上がったという場合もあるのではないでしょうか。